Wyse
Technology
Wyse PCE keyboard
P/N 840358-16
FCC ID; N/A
Switch ; MX/Black, Linear
Detachable cable with RJ Phone plug at the both end
Incompatible with usual Windows PC.
Made in Taiwan, R.
O. C.
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Wyse
ターミナルシステムの付属キーボードで PCE ( PC
Enhanced ) 102 key keyboard だが、本機は AMDEK
というブランドになっている。両社がどういう関係にあるのかはわからない。
Wyse ブランドの 840358
もあるがキートップがほんの少し異なるだけでほとんど同じ。
鉄板マウントの MX/黒軸はとても安定していて非常に心地よい打鍵感である。
PCB直付けの黒軸より強めに感じるのは鉄板マウントがいくらか影響しているのかもしれない。
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同型の Wyse ブランドキーボード。
(実物は画像でみるより焼けが進んでいる )
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贅肉を殺ぎ落としたシンプルかつストレートなデザインは
大艦巨砲主義的なATキーボードが花盛りであった1989年当時のキーボードとしてはとても異質なものだったのではないかと思う。 重厚長大
とはまるで対極をいくようなシャープな筐体にMXスイッチの組み合わせで機能美を追求したようなキーボードだと思う。
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78.10.18
の検査シールは鍵盤午訪斎サイトによれば
中華民国暦によるもののようで +11年で 西暦
1989年
となり 上の画像と一致する。 |
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基板上の WYSE TECHNOLOGY のエッチング |
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基板はガラスエポキシ |
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Cherryお勧めの純正仕様スタビライザーが用いられている。 |
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どうってことありませんが
チルトスタンド画像追加
これ と同じ型であることに気がついた (
2005.10.30 ) |
キートップ 2種の比較 |
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本機のキートップは二色成形ではあるものの
Wyse ブランドのものよりやや 薄めにできている。
形状はほとんど同じなので指の収まり具合は厚めの二色成形版とほぼ同様である。
他のCHERRY MX系キートップ
と比較すると全高が低く、どちらかというと
扁平 という感じ。 |
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本機のキートップ
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左が本機、右はWyse ブランドの -013
でかなり厚め |
LED ドライブ用のトランジスタ |
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こういうタイプは珍しいのではないかと思う。
トランジスタ右の 抵抗はLED用の電流調整用抵抗 |
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入力部 |
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ごっつい電解コンデンサが載っかっていて信頼性は高そう
(というのは見た目だけの素人判断)
入出力は小さなフェライト付き。 |
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エンコーダー |
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Wyse RJタイプ独特の28PIN ( 片側14PIN)のエンコーダー
CHIPはTexas Instruments製 |
そしてケーブル接続は... |
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電話の受話器を差し込む 4極4芯 タイプ
壁側に用いられる 6極タイプ RJ11 より細身。
外寸は同じ。 |
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電話機の受話器の先についている
4極4芯タイプ(RJ12
というらしい)のコネクタとなっており、この部分はケーブル直だしの
AT プラグ版 あるいは PS/2 プラグ版とは異なる。
28PINの独特なエンコーダーチップといい RJ PHONE
ジャック仕様といい......そう本機は
非常に残念なことに一般的なWindows PC では使えない。
DIN AT プラグあるいは PS/2
プラグ版は生産量も少なかったのか、あるいはそもそも Wyse
システムとしては異端児であったのか
オークションでもめったにお目にかかれない。 翻ってこの 840358-XX
は頻繁に見かけるし入手性は良い。
これが使えれば...そして青軸化 あるいは 茶軸化
ができれば 多分 Cherry MX スイッチ
キーボードとしては申し分の無いものといえるのかもしれない。
改造
AT版が入手できないのであれば
840358 を改造するしかない。
スイッチマトリックスを配線し直すことができたとしても一番の大きな問題はコントロール基板をどうやって本体内部に収めるか、ということである。
先にも書いたように 贅肉はそぎおとされており
無駄なスペースは一切無い。
考えられる方法は
@ コントロール基板を外付けにする
A 基板上にコントロール部を移植する
B 配線し直しやコントローラー移植ではなく
孫の手本舗並に コンバーターをこさえる
というところか。
Bは私の力量では
マイコンを一から勉強する必要があり非現実的である。
@ か A しかない。
できれば外見は美しく無駄なく仕上げたい...となると
A しかない......
....というわけで、やっってみた
材料
Compaq RT235BT ; エンコーダ回路を流用
40pin DIP ソケット ; 上記CHIP移植用
配線材 ; 今回は単芯のワイヤを使用
RJ11 コネクタ 並びに PLUG; RJ12 > PS/2
変換を作場合は不要。
ハンダゴテ、 ハンダ吸い取り器
元の Encoder用の28PIN に12個の穴を追加して
移植コントローラー用をソケットを載せた。
幸いなことにソケット下端も鉄板と干渉することなく何とか納まった。
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元のchipを抜いて40pinソケットを増設
増設スペースは上の画像の、鉄板端から基板上端まで。
基板上端はケースにピッタリ収まる構造。 |
裏面
電動ドリルに取り付けた円盤カッターでパターンをカット |
流用したコントローラーからパーツを引っこ抜いて
基板のランドを活用しWYSE基板上に移植。 そのためにも移植用コントローラーはなるべく部品点数が少ない物のほうが
回路を再構成する作業は楽。
今回は NMB製の Compaq RT235BT のものを利用した。
電解コンデサ x 2個、 抵抗 x1個、
抵抗の型をしたコンデンサが 5個。
スイッチマトリックは表をこさえるより
メンブレンシートをそっくりそのまま写し取って実態配線図をこさえたほうが作業は楽だと思う。
部分的に元のパターンとランドを利用したコントローラーの入出力および電源ライン |
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この部分は流用するコントロール基板によって異なるので、コントロール基板の部品配置とパターンを確認して簡単な回路図を書き、それに従ってWyse基板上で回路を再現することになります。 |
配線が終わった基板裏面。
スイッチマトリックはすべてスイッチのリードに直付け。
この基板は
個々のスイッチにキー割り付けがシルク印刷されているので配線が楽。 |
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今回は基板上のJumper線は抜かなかったが、
できればJumper はすべて抜き取ったほうが
スイッチの接続ラインをカットする際に無駄が省けるし部分的にJumperのランドを配線に利用できる。
元のパターンすべて解析して流用できるパターンはそのまま使う...なんてことを考えると作業が面倒になるのでこの際
スイッチのリード部分はとにかく配線パターから切り離したほうが楽ではある。
ただしJUMPER線が長くなることや信号のシールドの観点ではあまり良いことではないかもしれない。 気力があれば元のパターンを解析してできるだけ配線材を少なくすると動作の上でも安全なのかもしれない。
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コネクタは元のケーブルを使う場合はそのままでかまわないが、PC本体との接続にコネクタ変換器を別途作成しなければならない。
今回は Wang
のケーブルを共有するために 6極
RJ11タイプに変更した。
処理はみっともないけど売り物ではないので気にしない....と言い訳
^^;。
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LED
の規格やその使用方法はよくわからないので、移植用のエンコーダ基板から抜き取った
LED
にオリジナル品の先端部を接着し、リード゙をつなぎ足して高さをあわせた。
接続回路は移植用基板に従って配線した。 |
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一応うまくいった
終わった後でもっと良い方法を思いついたが、これは次回
の茶軸化で試してみようと思う。
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青軸化並びにAT化を終えた 840358-016 |
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私は電気回路については詳しくないがJUMPERを飛ばしまくったこのキーボードは一応実用上の問題はないものの、シールドに絡んでいるのではないかと思われる不具合が時折発生する。
USB接続だと頻繁に
Num Lock LEDが消えるという現象が発生する...5V
安定化電源周りの不具合? 次回はコントローラーの移植部分と全体の配線に
もう少し気を使ってやってみようと思う。
連続して打鍵している時にLEDがフラッシュして Num
Lock LED が消灯する という不具合( Num Lock 状態は継続
)があるが、それ以外はほぼ問題なし。
鉄板マウントの青軸MXとしては満足できるレベルに仕上がったと思う。
不揃いな音を発するスイッチが1個あるのだが配線のことを考えると面倒なのでそのままにしている。
やや扁平な
キートップは好みが分かれるところかもしれない。
まだ慣れていないこともあってか誤打が多くなったように思う。
そういえば
LED部の箱型枠は Chicony KB5191 と同じだ。
次回は厚手のキートップ版で
茶軸仕様にチャレンジ
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