TERADRIVE
KEYBOARD 106
MODEL NO. : HTR-2106
ALPS made Buckling Spring Key Switch
US PATENT
5010219
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ゲーム機メガドライブで意気盛んだった
Sega と
DOS/Vテクノロジーで打倒NECを目指す日本IBMとの共同開発により1991年に発売されたゲーム機とPCのハイブリッドマシン ”Tera Drive”
の付属キーボード。 CPUは 80386 がすでに世に出ていたにもかかわらずPC側には16bit
80286(10MHz)
という低速かつ非力なCPUを採用しており中途半端な存在であったように記憶している。 DOS/Vでは日本語表示に「
80286以上、2MBのRAM」が最低条件であり、DOS/Vマシンとして最低条件を一応クリアしてはいたが非力感は否めなかった。 とはいうものの
MC68000搭載に加えて
Z80
も搭載するなどゲーマーにはそれなりに魅力的なマシンだったのでしょう。
その付属キーボードである本機はALPS社の手によるBuckling Spring機構を採用しており、外観は IBM MODEL M
そっくりですが肝心のスイッチ部となると IBM Model
M2 いい勝負でわずかに M2 を上回るというところ。 人によってはまだM2の方がよいというかもしれません。 NECに対抗するためPCセットとしての価格をなるべく抑えるためにキーボードも 5576系統より安価なものにした結果が本機ということなのかもしれません。 いずれにしても ブラザー製 (...というか 長野Techtron製というか...)
の 5576-A01 Buckling Spring にははるかに及びません。
押し下げ圧は測定したわけではありませんが軽めの部類で
5576-C01 に近いように思います。
筺体の組み上げとかスチール製のバックプレートとスイッチハウジングとの圧着方法とかALPS製らしくそれなりによく仕上がってはいますがスイッチそのものはさほど洗練されているという感はなく、たとえていえば
「5576-001/002などのALPS板バネスイッチをルーズな感触にしたスイッチ」といえるのではないかと思います。
文字配列はOADG規格によるDOS/V標準キーボードである5576-A01に準じたいわゆるA01配列となっています。
同一スイッチ、筺体デザインによる色違いのモデル C
ITO向けの非互換のキーボードがmousefan
のALPSセクションに掲載されています(リンク先ページの最上段2枚の画像)。
湾曲したBack Plate などは Model M
とそっくり。 ただしケースを含めた重量はMには及びません。
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プレートの取り付けはMと違ってプラスチックの焼きつぶしではありません。 |
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正面のイメージ同様バックプレートの湾曲具合は
MODEL M と瓜二つ |
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こちらがスイッチ部分。 |
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スイッチの内部構造は割愛。
詳細は US
PATENT でご確認ください。
Patentによればキートップと軸は一体構造で描かれていますので実際のスイッチは更にアレンジがほどこされているものと思われます。
図説ではスイッチを上から見た場合縦方向にコイルスプリングがBUCKLEするように描かれていますが、実際のスイッチは横方向に動作しておりメンブレンシートを叩くハンマーも横方向にセットされています。
軸側面に斜めに見える白い部分は軸ガイドです。 |
2013. 02. 04
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