オーク があるのなら
メイプル
もあってよかろう、というわけで、こちらは MAPLEZ15。
スイッチ回りは 8255
系と同じで
黒スイッチにスペースバーのみ青スイッチという構成。
8255系 との大きな違いはその ボディ サイズにあり
8255より横幅、奥行きともに狭まって省スペースボディとなっており、その分
重量も軽め、且つ
PS/2 PLUG
という事もあって取り回しが楽といえます( 8755
の場合は AT プラグとなります )。
入手品は
LABEL部分に梱包用のテープが張り付いていたため、そっと剥がしたのですが残念ながら印刷の一部が剥がれてしまいました。
製造年月を示す記載が見当たらないのですが、FCC
IDによる検索では認証は 10/12/1993
となっています。 8255/8256 などは
1995年の認証ですから、 スリムタイプで PS/2接続の
8756c+ MAPLEZ15 のほうが古いようです。
本品自体はカバー裏刻印から 1994年
6月製造のように思われます。
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スペースが余ったので 基板上
の NMB のシルクなどをひとつ |
製品として眺めた場合、TOP画像でもおわかりのように
NMBらしさ
というものはあまり感じられず、デザイン的な特徴が薄いように思います。
キーに触れて初めて 「おっとっと、 これは NMB
じゃないか 」 というところです。 メカニカルの
NMB というと 初期の ALR
ブランド RT-101 や 82xx
台 (いずれも 鍵盤午訪斎
) のやや大きめのデザインを連想しますが、この
MAPLE は一回り小振りなデザインで後年の RT66xx
にやや近いものの FUNCTION KEY
上部の直線ラインや突起、あるいは縁付近の傾斜等はなく
、わずかにカーブした盤面はほぼ真平らですので、遠目で見ると 5576-A01 や DELL
SK-D100M と見間違えてしまいます (
スペースバー周りですぐわかる、なんて突っ込みは無し
! ) 。
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上 : RT8756C+ MAPLE
下 : IBM 5576-A01
画像では MAPLE
のほうが奥行きがあるように見えますが、実際には
2mm ほど A01より短くなっています。
盤面前縁が丸くなっていたら A01
と瓜二つといってもいいような気が....
画像をクリックすると
1220x910の大きな画像が得られます (重い
!) |
スイッチ取り付けベースの鉄板は8255系と違い、塗装無しの鋼板が使用されています。
基盤右上のロジックIC近くに
基板上のジャンパーワイヤ取り付けに関するシルク印刷があり、
W/ JO2 : WDT OPTION |
W/O JO1 : NOVELL MODE |
と書かれています。
NOVELL MODE
というのはなんとなくわかりますが、WDT
というのはどういう モードでしょうね。 ちなみに現状は
JO2 にジャンパーが有り、 JO1
はジャンパー無し となっていますので WDT OPTION
という事になります。 ジャンパーワイヤですからスイッチで切り替えというわけではありません。
NMB
メカニカルスイッチについてはすでに各サイトで紹介され尽くされており特に説明も不要ですが、やはり
NMBメカニカルキーボードですから少しだけ画像をご紹介。
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軸というのかキートップベース一体の「お帽子」
を被ったスイッチ部。 |
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クリックタイプの黒スイッチですので、ご承知のように中央部分にクリックを演出する
白いツメが見えます。
これが
接点部の「合掌」と同時にかの有名は陶酔の
クリック音を発する訳ですが、機械が苦手な私は、何故バネの押し込み、開放でこのツメが左右にスイングするのかイマイチわからない。 |
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NMB
のスタビライザーは一風変わっていて中型キーは軸と一体のお帽子の上部を押さえ込む形になっており両サイドにつき出た部分がキートップを受けるようになっていますので、これらのキートップはALPS系と異なり取り外しが楽です。
スペースバーはALPS系と同様だがバーは基盤上で固定されるようになっています。
ENTER キーは両者を併用(
この部分の横方向のスタビラーザーはALPS系同様に鉄板上で保持する。) |
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お帽子を外した状態。
お帽子に仕込まれた接点部を隔てる仕切り部分がないので接点部分が手のひらを合わせたように
合掌
している。
合掌状態拡大画像
その1
その2
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キートップはかなり肉厚。
軸一体お帽子はALPS系の外ケースと異なりコイルスプリングが鞘の中に収まるようになっており、かつ
タクタイル用の板バネもないので取り付けがとても楽。
(外すのはチト面倒ですけど) |
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8000系のキートップはへこみ具合が6000系よりごくわずかに窪みが深くなっており、これがけっこう指にピッタリはりつくような感触を与えてくれます。
「角が当たってイヤだ」と思われる方もおられるかもしれませんけど...。
スペースバー列、およびその上の
Z列の各キーは手前部分がふっくらと丸みを帯びた独特の形状をしており横からみるとけっこう美しく感じられます。
が、私はスペースバー列については
8000系に見られる
シリンドリカルそのまま延長した最下段の形状(角度)は親指に違和感を感じてしまいます。
この部分に関してはシリンドリカルを
Z列までとした IBM
5576系の形状が格段に優れていると思います。
ついでに
スペースバーはバネが強過ぎるのではないかという気がしますが、もしかすると
「角」がそのように錯覚させているだけかもしれません。 |
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背面は8200系と
現在の6500系を足して2で割ったような感じ
(ピンボケですみません) |
1987年製の RT-101、
1992年製の RT101+INTEL、 1995年の 8255/8256 系 を眺めると、
大きめのBody Design がNMBメカニカルの本流と思われますので、この
8756
がどのような経緯で企画されたのかわかりませんが、外見だけですと鍵盤午訪斎の
UNIX用
N-97 というのもどことなく近いように思えます。
PC用としてはどこにでもありそうな盤面デザインのためやや貧相に見えますが、冒頭にも書きましたように
PS/2 PLUG
であることや小振りであるという事でなかなか使い勝手のよいキーボードとなっております。
NMB
8000系は使いはじめてまだ一ヶ月そこそこで、いずれも中古品ばかりですが、今のところ
不良スイッチには遭遇していません。
従ってスイッチそのものの耐久性についてあれこれ述べるほどのものは持ち合わせておりません。
確かに モデル M
のような頑丈さは無いのかもしれませんが、手許の
8年以上の中古品がいずれもノートラブルであることを考えると、言われるほどヤワなわけではないのじゃないかとも思えたりします。
NMB
トップページでも書きましたが、仮にそうであってもこのスイッチの上品かつ繊細なタッチととても控えめで繊細なクリック音は投資に見合う充分な満足感を与えてくれるのではないかと思います。
(まさか半年そこいらで壊れることは無い思うが...
中古でも5年以上
良好な状態を保ったものが手許にあるのだから新品なら少なくとも平均3年以上はまともだろう
)。 クリック系というと 「うるさい」
とか「オフイスで迷惑」とか言われますが、 NMB
8000系のスイッチはかなり控えめな音ですので迷惑がられるどころか「
あら? そのキーボードって素敵な音がするのね
! 」って逆にポイントが上がるかもしれない。
おじさんはそういう事はどうでもいいのだが適齢期の諸君にはそういう御利益もあるかも。
もっともそういうのが一番の目的なら Cherry ErgoPlus
MX500 あたりが最適かもしれないが....
デザインの完成度という観点では今ひとつですが、やはりこのタッチを表す名称は
8255/56で与えた
シンデレラ
が一番よさそうに思います。
ガラスの靴って壊れやすそうだし ^^)
なんといってもとも びみょ〜な繊細さ
たっぷりのスイッチですもの。 (
8255/56を先に書き始めたのに 01/24現在
まだ書きあがっていなかったりします ^^;
)
もしかすると
小振りで華奢なだけに この 8756 の方が シンデレラ
によりふさわしいのかも。
もうちよっと
白色系だったら 尚 最高。
チッチッチッ....
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