PS/55
5545-T Keyboard
( PS/2 8573 P7x Keyboard JP
Layout )
IBM P/N 65F0045
FRU P/N 65F0063
PS/55 Japanese 002 layout
ALPS made Plate Spring Switch
Proprietary Plug made by Hirose
Manufactured July 1990
Made in Japan
English
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いつか紹介しようと思いつつトップカバ−が外せなくてほったらかしになっていましたが、ようやく開ける事ができました。
本機は 日本IBMが 1990年 5月に発売した PS/55 5545-T (
可搬型デスクトップPC )の付属キボードであり、
5576-002 同様のALPS 板バネスイッチを採用した 日本語
002配列 のキーボードです。 PS/2 ブランドの 8573
P7x 付属の英語版 は鍵盤午訪斎
で紹介されておりご存知の方も多いのではないかと思います。
配列を除いてはまったく同じ物です。
さてそれでは開けてみましょう。
ロック用のツメは下の画像の丸枠の位置にありますので参考にしてください。
Pic.1 トップカバー裏面
ロック用ツメ位置 |
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Pic.2
まず最初に
後部両サイドに見えるロック用の ツメ
と格闘します。
ツメに木片をあてがいグッと押し込み上部ケースの隙間に薄い木片あるいは
焼き鳥の串でも挿しておきます。
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Pic3
解除された状態。
画像は
アルミアングルも解除した後に撮りました。 |
上部両側のツメを解除したら、隙間に薄い木片を差込みながら順次内側を解除していきます。
赤丸部分のアルミ枠へのロックはキッチリ入っていますので、解除した部分に木片をさしておかないとすぐに閉じてしまいますので幅広の竹串を数本用意すると作業がはかどります。
手前側は最後に作業することにして
赤丸部分に取り掛かります。
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Pic.4 アルミ部分の構造を先に確認しておきましょう。 |

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Pic1. で示したトップカバー裏面画像の赤丸部分は
数字キーとFunction
キーの間にセットされたアルミアングルにツメで固定されています。
アルミアングルは基盤とともに下部ケースにネジでとめられています。
画像の四角枠の部分に上ケースのツメが入ります。
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Pic.5 |
Pic.6 |
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ツメは 002配列ですと
数字キー列 [2]と[3]
、[7]と[8]、[\]
と [BS]、 [*] と [ /] の間にありますが、作業を考えるとこの列全てのキートップを抜き取った方が楽です。
上の画像で見えるように隙間がありますので細いドライバを差し込んでツメを解除します。
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Pic.7
ツメの形状は左のようになっています。
折らないように内側に軽く押し込みます。
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アルミアングルへの固定ツメ
4箇所が外れたらあとはそれほど難しくありません。
5576-A01 や C01
の分解を経験された方はすぐにコツをつかめると思います。
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側面のロック形状
下部ケースの枠は薄いので無理に広げると割れてしまいそうです。
下部ケースを外側に広げるというより、上部ケースを押し込む気持ちで作業をすると良いと思います。
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前縁は一方の端のロックを先に解除し、上部ケース後ろ側を持ち上げながらツメの部分を奥に押し込みつつ順次解除していきます
(
細いドライバを併用するのもよいでしょう )。
上部ケース後ろ側を持ち上げて一気に開けるのはまずいのではないかと思いますが...
無事開きました |
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アルミアングル、PCB
を取り外すと、下部パネル一面にEMIシールドのアルミ箔シート(
表面は絶縁コーティングされています )
が敷かれています。
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ピン配置は基盤側からみて
1 3 5
2
4 6
信号アサイン は
NC GND
+5V
Data
Clock NC
PLUGの結線については ここ
を参照
下さい |
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基板上に 見える ALPS のエッチング |
他のとこも見てみましょう
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上部ケース のロック用ツメ
前回の格闘のためツメが傷ついています。 |
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チルトスタンドロックバネ部分
横に引き出してロックを解除した上で倒します。
この画像では構造がわかりませんね。
閉じてしまったので撮り直しができません。 |
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ケーブル接続受け口
ケーブル側PLUGとともにかなり特殊な形状で、HIROSE製。
残念ながら PS/55用ケーブルと互換性は無い。
因みにケーブルは本体から直接引き出されており、本体内部で基板に
コネクタで結線されています。
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キーボードを立てて前蓋として本体ディスプレイ部をカバーするためのロック
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PS/55用ですので P/N、 FRU P/N ともに P7x用とは異なります
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PS/55 のロゴ
5545T の表記もあります。
できれば 5545V 5545Yも発売して欲しかった。
5545T発売時には既に PS/2 としては P75
の486機が発売されています。 |
5545Y; よく考えると 486-33で
SCSI MODEL となると V ではなくて Y
の方がが妥当でしょう。 ちなみに 同年
10月には タワー型の 5580-Y
が発売されています...お値段はたぶん
\2000,000超.... |
スイッチ周り
参照 Us
Patent #4613737
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5576-001/002 でお馴染みの
板バネスイッチです。 これは初期型
5576-001/002に使われているスイッチと同形式のもので、初期型5576では鋼板と基盤が一体になっていて基盤上でJUMPERを飛ばすことが出来ないためスイッチ内部に
太めのJUMPERが走っています。
当然基板への固定も
4点止めとなりますのでガッチリ取り付けられています。
本機の場合は総重量の兼ね合いで鋼板は用いずスイッチを基板に直接マウントする方法をとっています。
ちなみに ALPS角軸の古い物に見られる
上部ケースのスリットがこのスイッチにも設けられています。
追記 2004.12.06
台座部分の形状は 5576-001/002
の初期型と異なり、むしろ後期型に似通っています。位置決め用のピンが基板裏画像では確認できませんので、このモデル用に後期型をアレンジしなおしたものなのかもしれません。
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ボケボケですが、とても小さなロゴなのでうまく撮ることができません。
上蓋のすその部分についています。 |
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キートップは
5576シリーズと異なり、1ピ−ス構造です。
分厚い、とはいえませんが薄い部類ではないと思います。
印字は 浸透印刷...でしょう。 |

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IBM PS/55 5545 T0B |
PS/55ブランドの 5545 Tは US IBMの PS/2 8573 P70
発売から1年遅れて1990年5月に発売されていますが、実は
PS/2 8573 自体は 日本IBM
ヤマト研究所で開発されたという事で、プロジェクトそのものは日本主導で進められたのだそうです。
であればこそ本機が 5576-001/002 で代表される
ALPS板バネスイッチを採用していることも大いにうなづけます。
PS/2本場ではどのような評価なのか気になるところではありますが、PS/2ユーザーの間では概ね「
悪くない...けど 物足りない
」というところのようです。 もっとも
PS/2ユーザーといいますとやはり IBM Model M
がキーボードの基準という方が多いのでそういう方々からすれば
どこか物足りない
という反応もいたしかたのないところでしょう。
鉄板は入っていませんが打鍵感はほぼ 5576-002
と同じで、少し軽く感じられるのはキーボード自体が軽いという事からくるのでしょう。
002 や 001
の盤面が湾曲構造であるのに対してこちらは本体の蓋を兼ねるため平面構造になっており、キートップの形状で階段構造を実現していますが取り立てて打ちづらいという事はありません。
むしろ本体寸法との兼ね合いで異様に角度がついてしまうチルトスタンドの方が問題かもしれません。
個人的には半分くらいの高さが良いのではないかと思います。
実は久しぶりに本機を叩いているのですが、
メカニカルは重くて嫌であるとか、優しくないというようなご意見をお持ちの方に是非
これらの板バネスイッチ採用キーボードに触れてみて欲しいと思う次第です。
ラバーに慣れた皆さんはこのキーボードも受け入れる事はできないでしょうかね。
ゆっくり叩くと確かに板バネ特有の反発がありますが、このキーボードの場合一般的なメカニカルクリックとはまるで違う風合いというか、それこそ「優しさ」を感じてしまうのですけどね。
もっともこればっかりは 好みの問題
ですから何が何でも金属製のスプリングは肌に合わないという皆さんもおられるのでしょう。
冒頭にも書いていますが本機は 002 配列 ですので、
昨今の
Windows環境で使用するに当たってはドライバの問題が発生します。
という事もあってなんとか 英語101配列の P7x
キーボードを手に入れたいのですが、
本体丸ごと入手するしかないのでしょうね。
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by Sandy. 2004.08.22
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