IBM PC/AT 84 KEY

 
The King of Keyboards


5576について調べるうちに当然のこととしてたどり着いたのが IBM  AT 84 key という次第。 IBM のパーソナルコンピューターは IBM The PC、 XT そして AT と発展したわけだが、 AT 5170用として発売されたのが、この AT 84 Key キーボード という事らしい。 このあたりについてはKeyboard Research サイト詳しい解説をごらんいただきたい。
マルチステーション 5550 のキーボードは XT 83キーや この AT 84キー とよく似た形状である。  しかしかたやアルプスの縦型板バネ式のノンクリックスイッチ、こちらはXT共々IBM内製の Buckling Spring + 静電容量式接点機構 (というらしい) で、Buckling Spring機構は 後の Model M  に受け継がれる いわゆる IBM らしさたっぷりのキーボードである。
私は5576-A01 のキッチリした精悍な風貌とまっすぐな打鍵感がとても好きで、モデル Mはその響きが何となくルーズで「風合い」とか「色気」とかに欠けるような感じで、よく言えば米国的な開放感といえなくもないが、相対的にイマイチ A01 に劣ると思っていた。  AT 84 はモデルMの親分みたいなものだから、実際に触れてみるまでは有名サイトでの評価も少し割り引いていたのだが、少なくとも外観に関しては非常にそそられるものがあった。  モデル M より 良い といわれる超レアな時代もんのこのキーボードがどうしても欲しくてたまらなかった。   そして手に入れた。

入手したものは年代相応にくたびれていて、左手の掌があたるあたりは塗料が剥げていてチト見た目はよろしくない。 いうなればケバイ化粧が剥がれかかったオバサン( セクハラ的表現はゴメン )。.  しか〜し、 キーを叩くとどうだ...モデル M のカサついたバネの残響とかやや無機質な感触はそこにはまるで無い。 ( 勿論 モデル M も入力装置としてはキー入力の確実さとか耐久性とか良品に求められるものは全て持っている...が、何故か私は妙に乾いた西部劇の土埃というかそういうのを連想してしまう  )。    音だけなら コツコツパッチンととてもうるさく  M や 5576-A01 の比ではない。  が、 うるさいという感覚を吹き飛ばしてしまうような指先に感じるこのまろやかさは一体どこからくるのだろう。 響きは 5576-A01 と似通っていて大理石を叩いたような コチン コツン とかなり硬質な部類なのだが、しか〜し、まろやか かつ音に深みがあるのです。 いうなれば 「豊潤」な響きなのです。  酒にうるさい御仁がうまい酒 ( この場合どちらかというと日本酒ではなくてウイスキ−とかバーボンとかコニャックとか... ) に久しぶりに出会ったときに感じる思いかもしれない。  押下圧 30g とか 指に負担がどうとか、そういう細かいことはまるで無縁の世界だ。  これはほんまものの キーボードである。  配列の違いは最初戸惑いを覚えるが、指先をこれ用にカスタマイズすればよいだけのことだ。  豊潤且つ開放的な響き ( 一般的には うるさい という ) は「楽しくなる」を通り越してと 「 陶酔 」 の世界に迷い込んでしまう。  バックリングの音と感触が大嫌いだという方は別として「本物」を求めるのであればこれこそがまさしくアナタの求めるキーボードだ。   けど腱鞘炎になっても私は知らない。

ちなみに最初のものから1ヶ月後に入手したものは外観並びに内部も比較的 新しめな感じがするが、打鍵感はというと、先に書いた「豊潤な響き」とか「まろやかさ」のようなものがかすかに薄れていてモデル M にやや寄った感じがする。  使い込むほどに味が出るってことなのでしょうか。 使い込みによる バネや各部のヘタリは通常マイナスなんでしょうけど、私は何故か先に入手したボロイ方がお気に入りである。  

このキーボードを買うときは既に製造から 20年近く経過している事と配列に若干のクセがあるという事を充分認識しておく必要があります。 傷やペイントの剥がれ、ゴム足の欠落など外観の良し悪しで必要以上に高値で買ってもしょうがないと思います。 実際に使用する分にはそれらはほとんど無関係です。 多少傷があってもそれは勲章だと思ってなるべくお安く入手しましょう。  そして一番肝心なことは押入れの奥深くしまいこんでおくとか 飾っておいたりするのではなくて 「ガンガン使う」 ということです。 

当キーボードの内部構造については Mouse Fan で詳細な分解画像付きで紹介されていますが、 緩衝材として使用されているウレタンシートはさすがに経年変化でヘタリがみられるようです。 たぶんに初期性能を維持している製品は数少ないと思いますのでそのあたりも充分に考慮する必要があります。  リストアする楽しみもあるのかもしれませんけど....

といいつつ、 NOS ( New Old Stock ) なんてのがあったら私は買ってしまうかもしれない。 買ってしまっても 本来の味を引き出す前に私の方がくたばっていると思います。

 

PC/AT 84 関連サイト
    Keyboard Research  PC/AT
    他にも IBM PC/AT あるいは 5170 で検索すればいろいろ出てくると思います。

 

本当なら美しいものを紹介したほうが良いのでしょうけど塗装も剥がれた愛用品の方で画像をとりました。  見た目が悪いと打鍵感も悪そうに見えるかな〜

古臭いといえば古臭いのでしょうけど私は惚れ込んでいるのですべてにおいて美しく見えてしまいます。 「 言葉は要らない、何も要らない...」 なんてウイスキーの宣伝文句が先に出てしまうのであります。  賞賛の言葉は他の有名所のサイトにお任せしたいと思います。

 

 

 

キートップは後継のモデルMと異なり ワンピース構造となっています。
モデルM はLexmark移管後一時先祖帰りしたわけですね。

 

 

プランジャーの内部

スイッチそのものは Mouse Fan でご確認ください。
分解しても元に戻す自信が無いので大いに手抜きしました  ^^; 
キートップの嵌め方を誤ると、常に ON の状態になったりあるいはバックリング動作不良になったりします。 モデル M やA01もこのあたりは同じです。

 

 

PC/AT 鍵盤というとやはり コレ でしょうね。 燦然と輝く 本体左上の アルミロゴプレート。 
当方のはあまり輝きませんけどね。

最後のAT機とともに発売された モデル M 1390121、 1390131 の場合はアルミロゴプレートが本体右上に移動してます。

 

 

悩みの種 変則レイアウト。 といいましてもその当時は変則でも何でもなく、その後の モデルM で取られたレイアウトが業界スタンダード となっただけのことです。 慣れの問題が一番大きいのですが、それはそうとしてもに現行配列はよく考えられていますね。   Esc はつい左上に指が行ってしまいます。
私は数字入力は盤面上部のキーを使用し 数値パッドの部分は Numlockをオフにして使用しています。
 

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