GT3000-MX  Tono's Special
Stainless chassis loaded Special version

Designed and modified by Tono
Base model G80-3000 LPMEUS
Switch ; Cherry MX/Black linear feel switch

Keyboard of the year 2005 

どうってことない  G80-3000LPに見えるが 
 しか〜し スイッチの間に見えるのは....

シルバーに輝くステンレス製のシャーシである。

G80シリーズが現行メカニカルキーボードの中でバランスのとれた良いキーボードであることは多くのキーボードファンが認めるところだと思うが、唯一の欠点は全体の作りがヤワ であるという点である。  80年代末期から90年代中期にかけて台湾のキーボードメーカーがCherry本家には無い金属プレート入りの優れたキーボードを供給していたが それらはいまやオークションで求める以外に入手する術はない。  現行品となると 台湾Strongman社が供給する一連のFilcoブランドキーボードのみというのが昨今の状況である ( 最近発売された Steel Keys 6G もブランドが異なるだけで製造元は同じ )。
G80 に金属プレートを仕込めば良いキーボードになるのではないかということは想像はできるものの、肝心の金属プレート製作は素人にはなかなか踏み込めない領域である事は否めない。  隣の国では鉄板あるいはアルミ板による 純正Cherry キーボードの改造が安価に実現できたようだが、国内では金属プレートの設計能力があり製作現場に融通の効くキーボードファンがいないのか実現不可能と半ば諦めていた....そう それは既に過去形である。
まずは以下のホームページをみていただきたい。

    G80-3000改造製作記事 

   (  サイト トップページ  tono's room  キーボード紹介セクション  カタカタッ・コトコトッ  )


サイトオーナーは G80-1800LPMEU で Cherry MX/黒軸に魅せられ、氏独自のアプローチで ステンレスシャーシ採用の HHKタイプの試作により金属シャーシの優位性を確認・検証されたうえで、当然の流れとしてCherry G80 筐体による 3000改ステンレスシャーシ版をついに完成させてしまった。
私は幸いにも出来上がったばかりの実機に触れることができたが、リブの削り込みの微調整が必要という事ではあったが、ステンレスシャーシで支えられた改造機はオリジナルのみならず Wyse 900840 をも凌駕したといって差し支えないタッチを実現していた。 PCBマウント時の よく言えばまろやか、悪く言えばヌルッとした感じ ( かつて某サイトオーナーがトランポリンと表現していた 浮遊感  とでもいうのかな ) がとてもしっかりしたリズム感を感じさせる動きに変わり、やや強めで硬質な反発が指先に伝わってくる明確な底付き感は小気味よいものであった。   人によっては硬すぎると感じるかも知れないが私としてはこれまで触った MX黒軸のなかでダントツの心地よさを感じることができた。 もちろん夢にまで見た G80-3000金属シャーシ改 に接することができたという心理的バイアスがかかっていたのかも知れない。 私だけではなくその場に居合わせた一同がその出来のよさに唸ってしまいしばし言葉を失ってしまったのだが、もしかすると皆さんも同じバイアス電流をビシバシ感じていたのかも......   MXスイッチは金属シャーシで支えられてその真価を発揮する という思いをいっそう強くしたものである。

 

シャーシ上の MX スイッチ

上方の切れ込みは 上下筐体に設けられた連結用のネジ穴スタンドとその強度確保のためのフレームリブを逃がすためのもの

Function Key の内側がシャーシ面に映りこんでたりいたりして...

 

スイッチ部の拡大

 

シャシは基板をまたぐ構造となっており 上端にロック用のツメを避けるための切れ込みが設けられている。
逃げ部分の 開口寸法に勘違いがあったとの事で電動サンダーによる追加工の焼けがあるが性能には無関係。

ツルツピカピカのシャーシ表面に映りこんだスイッチが美しい...

 

下筐体に乗せられた 基板 + シャーシ のアッセンブリ

 

製作者のこだわりが随所にみられる。 金属平版の縦剛性ならびに横剛性を確保するために シャーシは上下左右でベンディング処理が施されている。 これは古いキーボードで見る事ができるが一般的なメカニカルキーボードは 上下のみのベンディングとなっている。  
基板とシャーシは104個のスイッチのハンダ付けで十分に連結強度は確保されていると思われるが、10箇所のNCナット追加により更に シャーシ と基板の一体化が図られている。  もちろんこれらのナットは基板面の配線パターンを避けた位置に設けられており組み付け前に基板への穴開け加工が必要である。  ネジ止めにあたっては基板・シャーシ間のスペース 3.5mmを埋めるスペーサーが必要である ( ナット高を差し引く必要あり  )。

Wyse の場合 シャーシのスタビラーザー保持パーツ周りは大きく開口しているが本シャーシは正確な レーザー切り出しにより保持パーツを圧入する構造となっている。   保持パーツそのものは基板にとりつけることを前提としているがシャーシへの圧入は製作工程で一番難しいかもしれない。  スイッチをハンダ付けした後は基本的にメンテナンスあるいは調整は不可能であるので、仮組での調整を十分に行う必要がある。  メンテナンスという観点では古い CHICONY などで用いられた シャーシ上面にスタビラーザーをセットするタイプの保持具の方が汎用性はあると言える。  StrongMan で用いられている現行タイプは 1.2mm厚 のシャーシへの取り付けを前提としており流用には加工が必要。  動作そのものはCherry純正タイプの方が信頼性が高そうに思えるがこのあたりは定かでは無い。

筐体への組み込みは本シャーシと一体になった基板アッセンブリを下筐体と上筐体でサンドイッチ状に挟み込む元の構造を踏襲しており、 必要な場合は上筐体 4箇所のネジ受けポールを利用してタッピングネジにより上下筐体を連結することも可能である。 


シャーシ

 

  注 ;  このままでは コントローラーチップ と隣のコンデンサがシャーシと干渉するため 赤線で示した部分をカット
          する必要がある。

 

NCナットの表面( 左 )と 裏面(右)   裏面の出っ張りが3.5mmであればスペーサー不要だが 1.8mmしかないので 計算上 1.7mmのスペーサーが必要となる。   このナットを使用するにあたっては仮組した上で実測値によるスペーサーを用意しないと近隣のスイッチに負担がかかる。

 

1.5mm厚のステンレスだとこれだけの加工はレーザー裁断でなければ無理でしょう


不思議に思ったこと。
Cherry G80 シリーズのスタビライザー付きのキーは底付きに曖昧さというか妙な反発があるのだが、この3000改はスタビタイザー底部周りを修正にしたわけではないとの事なのだが、なぜかその曖昧さ・グニュグニュ感がほぼ解消されていた。 ステンレスシャーシでスタビライザー保持パーツがしっかりホールドされた事による影響なのかもしれないがスタビライザー底部のアームによる基板への接触構造は変わるわけではないので不思議と言えば不思議である。  青軸だとあらかじめ調整したほうが良いのかも知れない。  後述のHHKタイプはスタビライザー受けの底部が開放された構造であるため グニュグニュ感は発生しようが無い。 

というわけで 今年の さんでー的 Keyboard of the Year は この1本で決まり..
  G80-3000 Embedding Stainless Chassis Designed by Tono  略して 3000ESCDT
 あるいは   G80-3000 tono's Special 黒 とか... 青軸で作れば tono's Special

.... と書いて思いついた

GT3000-MX
で どうでしょう。

click to enlarge

こういうこだわりも... 何年か後に物議をかもすかもしれませんね
Cherry社も金属プレート入りの 3000 を限定生産してた...な〜んて 


 tono's room カタカタッ・コトコトッ  で紹介されている HHKタイプのカーブドシャーシによる 試作機、より一般的なキーポジションとなった二号機のいずれも異次元キーボードに仕上がっていたことを付け加えておきたい。   HHKタイプは HHK LITE のエンコーダー基板、MX1800 のキートップ・スタビパーツと素材が2重に必要だが MX マニアで HHKのような超小型キーボードを好まれる向きにはうってつけのキーボードだと思う。   内部むき出しという形状に違和感を感じる方もいるだろうが実際にタイプするとそういう思いを吹き飛ばしてしまう爽快感がある。  Body を木材で加工して自分好みの外観に仕上げるという楽しみもある....かもしれない。

...それならひとつ 3000改 に挑戦してみようという実践派のキーボードファンは....
NEOTEC さんに シャーシサンプルを置いてあるとのことなので頼み込んで実物を見てみましょう。
  もしかすると何とかなるかもしれません。

尚、製作に先立ち穴位置確認の為ベンディング無しのステンレス平板を試作されたようであるが私としては平板構造シャーシとベンディング仕様の打鍵感の違い、あるいは剛性の違いなどを実機で比較してみたい !


当サイトでの紹介にあたり画像を提供いただいたシャーシ設計者である tonoさん 並びにステンレスシャーシ製作チームの皆さんにお礼を申し上げます。

2005.12.29
2006.01.03  シャーシ切り込み( コントローラーチップとの干渉回避策 ) を シャーシ画像下に注で追加
2006.02.05  中文翻訳 by Excite  ( ページトップより移動 )

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