Futaba Old Complicated Key Switch

Keyboard Unit:  Unknown 
Switch ; complicated linear

Detailed information of this switch is available at
Deskthority.net WIKI Futaba Complicated Linear 

Deskthority.netの Key switch WIKI を眺めてて 「ほほ〜、Futabaにこんなリニアスイッチがあったのか」とひとしきり感心した。 翌日 メンテナンス用の治具を探してたらなんとなんとベースの色が違うだけでほぼ同じ物が出てきた。 WIKI には全体が黒のものもある、と書かれていたので Futaba Complicated Linear Switch で間違いない。 
紹介ページの分解画像によるとなんとこのスイッチの端子はネジ式になっていたのです。 PINがネジ込まれているスイッチは見たことがないので以前に分解を試みた時はまるで思いいたりませんでした。  手元のスイッチはその時の悪戦苦闘のため筒状の部分が一部割れかけているしPINも折れ曲がっているが分解の要領がわかった以上は開けてやらねばなりません。  

スイッチの詳細は上記ページでご確認ください。 画像も紹介ページの方が鮮明かつ素材のスイッチも新品のようですのであえてここで取り上げることもないのですが一応ベース部分の色違いバージョンってことで残しておきます。
 画像にゴミや汚れが目立ちますがそこのところはご容赦ください。 

 

TOP画像でも充分レトロですがキャップ付きだと
いっそうレトロな感じが漂っております。
 筒状の本体は Brother Buckling を除くと
他に手持ちはありません。

底面から出ているPINを緩めて抜いてやります。

軸にセットされたスプリングに押されて底部があっさりとはがれます。 以前は信号PINがねじ込み式だという事を知らなかったので見事敗退とあいなったのでありました。

前回のトライアルでPINはネジの根元部分で著しく曲がっておりましたので適当に修正を施しました。

接点を押す板バネを痛めないように接点ユニットをそ〜っと出だします。

(その後 接点ユニットと板バネは同時に抜き出すほうが楽に出来ることに気づきました。)

接点ユニットが出てきました。

筒内に接点を押す板バネがまだ残っていますのでこれもそっと引き抜きます。。

筒内の板バネの様子

外側の筒の右上部分の変形は以前に格闘して壊しかけた名残です。Face plateに取り付ける際のロック用の爪部分をスイッチ分解用の爪と勘違いしてこじったため亀裂が生じてしまったものです。

  板バネを抜くと軸は簡単に抜くことができます。

出てきた軸は2ピース構造画像に映っていませんが軸中央のバネが入る部分の根元にダンパーと思われるラバー小片が入っています。

というのは分解前に Deskthority の分解画像を先に見たのでそう信じ込んでいただけ。 私は分解の際に落としてしまったのかそれとも最初から入っていなかったのか定かではないがとにかくこのユニットには入っていません。 ( 顛末は一番下に書きました)

外れたほうの小さな板の外側がon/off用の板バネの中央の足を押すようになっています。
2ピース構造にして接点側の小片に遊びを持たせた理由は....???
単にリニアなら2ピースにする必要はないと思われます。
敢えて遊びを設けることの目的は何なんでしょうか。

以前の格闘のため板バネも少し変形しています。


このひずみも動作に多少影響を及ぼしていると思われます。

スイッチ部分

Deskthority wikiの記事では3枚おろしならぬ 6枚おろし にしておられますが、老眼の私はここでストップ。

6つに解体された画像は Deskthority WIKI でご確認ください。


これで接点ユニットをを更に分解するとバネ受けのゴム小片を合わせて都合15個のパーツということになります。 先に書いたように当方のものにはゴム小片が欠落しておりますのでこのタイプ(底部まで黒)の部品点数が15個なのか14個なのかはいまのところ不明です。
構成パーツ数でいうと ALPS CM/CL* をはるかにしのぐ部品点数です。 何しろこちらは分離型のPINだけでも 2個分余計に部品点数を稼いでおります。

*ALPS CM/CL
通称 BIGFOOT系 と呼ばれるおなじみのALPSスイッチの ALPSカタログによる品番に用いられているコードです。

 

底板の内側 同じく外側
いずれもFUTABAを示すものはありません


本体部分を上から

前回は中央部外側のフェースプレート取り付け時のロック用の爪を上下ケース分解用の爪だと思ってドライバを入れてこじりました。

めちゃくちゃ分厚い二色成型キーキャップ

といいましてもそもそもどういうキーボードで使われていたのかわかりません。

軸との勘合部は大きすぎてCherry MXに入れてもユルユルで使えません。

再度組み立てて

 

おしまい



( 画像は一部改めて撮影したものと入れ替えました )


とりあえず2013年 2月13日時点でキーボード用スイッチとして1980年代初頭の製品では
  ありますが、その構成部品点数の多さにおいて  COMPLEXITY大賞 
確定。

  

  


肝心のキーアクションはというと、
やや強めの押下圧で軸動作はスムース。 ただしキーボードに乗っかっているわけではないので実際の使用時の感触はわかりません。 無理にこじ開けようとしたときにネジ部分に曲がりが生じ、今回それをラジオペンチで修正したりしたため底部の取り付けが完全ではないこともあって底突き音はかなり大きく響いているがまともなスイッチがそうとは限らない。 BOTTOM OUTするあたりで 「 クッ 」 と ごく軽めのタクタイル感があり、戻りの際にクリック音のようなものが聞こえるのですが、 この音が2ピース仕様の軸による意図的なものなのか、スイッチが単に古すぎることに加えて当方が壊しかけた結果なのか判断に迷います。 スイッチ本体の筒部分が割れかけていることと底部の取り付けが不十分であることが動作ならびに押し込み時の感触に大きく影響しているものと思われます。  しかし分解画像に見られる軸の2ピース構成が意図的なものならばタクタイル感あるいはクリック間を発生させるための工夫であったとも考えられます。 このスイッチを採用しているというATARIのキーボードが1982年発売という事を考えると IBM XT83キーボードが1981年の秋頃の登場で、ALPS 青のCMスイッチ( DELL AT-101やOmnikeyに見られるスイッチ)は更に遅れて1985年頃の登場ですから、IBMのBuckling方式以外はまだ充分にクリック生成手法が確立していない頃なので リニア であってあたりまえですが、軸に細工をすることでタクタイル感を演出しようとした可能性は無きにしもあらずです。 指先にはごくごく軽い引っかかりと連打したときに僅かに聞こえる音から一旦はクリックではないかという見解でまとめたのですが、まともなスイッチをお持ちで Deskthority wiki の該当項目の編集に携った方に念のために確認しましたところ 「リニア以外の何物でもない」 とのお返事をいただきました。 NMB HITEKのナマステ合掌スイッチのクリックと同じでプラスチック同士の衝突音の先祖ではないかと思ったのは早合点だったようです。
軸小片と軸本体部分の配置具合を再度撮影しなおすためにもう一度分解してみたところ、ななんと「ある」と信じていたスプリング受けのラバーディスクが入っていないではありませんか。 

撮りなおした軸と本体根元部分は以下の通り。 

軸下部が接点バネに押されて反作用で突起のある部分が外側に開き軸の戻りの際に凹部分の壁を叩くのでは、と思ったが突起と壁のクリアランスを埋めるほどの可動域は筒側のガイドにはとてもあるようには見えません。

むしろ突起を支点にした振り子動作のための構造とも考えられなくはないですが画像で見る限り本体側のガイド溝と小片の間にはにそれだけの隙間はありません。

ラバーディスクがどこかに落ちていないかとデスク周辺の大捜索をいたしましたが分解から丸2日近く経過しているので見つかるわけはありません。 肝心の軸小片と軸本体の接合部は小片突起が本体壁に当たるにはクリアランスがありすぎて無理なように見えます。 加えて突起周辺にナイロンのようなチューブがセットされており上にも書いたように小片が振り子動作をするような造りにも思えなくもないのですが筒内の軸スライド用のガイドと小片の間の隙間はほとんど内に等しいので振り子動作はほぼ不可能と思われます。 また100歩譲って振り子動作をするとした場合、そのような軸の動きは軸の上下動の際の妨げにしかならず引っかかりの多い出来損ないのスイッチになってしまうでしょう。  
 とても不思議なので上記wikiに寄稿された方に 「軸内のスプリング受け部分のラバー小片をセットしないで組み上げて感触を確かめてくれ」と他人の迷惑顧みずにお願いしましたところ、これがやってくれたのですね〜。 
軸内のスプリングがあたるところにセットされるラバー小片ですから普通に考えられるのは 1) 衝撃を抑える、2) スプリングの跳ねを押さえる、などのいわゆるダンパー効果です。 このラバーが無くなるともしかして....と思ったのですが残念ながら結果はまるで異なっておりまして、むしろラバー無しのほうが静かでかつバネ音も少ないという事でした。 (Wave file でメール添付していただいたので聴いてみたところ確かにそのように聴こえます )
ラバーの有無でリニア感触に関しては差が無いとなると 当方の黒色版にもラバー小片は入っていたが私が分解する際に不用意に落としてしまい、気がつかないまま作業を進めてしまったということになりそうです。 そして現在の怪しげなタクタイル感と擬似クリック音は筒部分の割れと痛めてしまった板バネの複合作用ということのようです。 

                   ということで結局のところ Linear Action に落ち着きました
                             

しかし、 一体 何のために軸を複合構造にし小片に僅かではあるものの可動域を持たせるような細工を施したのでしょう。 FUTABAさんに聞くのが一番でしょうけど40年も前の製品ですから今更相手にしてもらえないでしょう。 1982年ごろの ATARI  CX85 で使われているとのことです。 ( ATARIの リンク先にはビンテージキーボードが鮮明画像でたくさんアップされてます。  もしかして知ってる方だったりして..)

                 
        ご存知の方がおられましたら軸の2ピース構造について解説をお待ちしております。

            尚 TOPで紹介したDeskthority WIKI には同系列の 簡易リニア というものも掲載されており、
                                                     そちらのほうの軸は1ピース構造です。 

                      

2013. 02. 13 draft 00
2013. 02. 15 draft 01 
2013. 02. 24 minor correction about deskthority wiki

 

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